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ここで、PA初心者が比較的早期に経験しそうな、ギターの弾き語りの現場を想定してシミュレートしてみましょう。シンプルであるが故の難しさというのは置いておいて、ごく初歩的な仕込みで説明してみます。
こういう現場を間違いなくこなせるようになったら、音響屋としての基本はできあがったと言っていいかもしれません。

ライブのケーススタディ:ギターの弾き語りデュオ

PAでのモニターの出し方PAでのエフェクターのつなぎかたが分かったところで、簡単なライブをシミュレートしてみましょう。ギターの弾き語りのデュオです。

ミキサーの仕様

  • 8インプット/ステレオアウト/AUXは2系統
  • AUX 1 : プリフェーダー
  • AUX 2 : ポストフェーダー

ミキサーの回線表(もどき)

入力

  • CH-1 = 下手(しもて)ボーカル
  • CH-2 = 上手(かみて)ボーカル
  • CH-3 = 下手アコースティックギター
  • CH-4 = 上手アコースティックギター
  • CH-5 = (空き)
  • CH-6 = (空き)
  • CH-7 = エフェクトリターン L
  • CH-8 = エフェクトリターン R

出力

  • メインアウト L / R = オモテ
  • AUX 1 = モニタスピーカ(コロガシ)
  • AUX 2 = エフェクター送り

解説や図で略したもの

解説や図をシンプルにするために、以下のものを省略します

  • パワーアンプの手前に入れるグラフィックイコライザ
  • ギター用のマイク あるいは D.I.
  • ミキサーのメインアウトとAUX出力は、端子を描くとごちゃごちゃになるのでマスターフェーダー・マスタートリムから出力のケーブルを引き出しているように描くことにします

ギターを卓に立ち上げる時(入力させるとき)、マイクで拾うこともありますし、ピックアップのついたものなら直接その信号を卓にもらうことができます。
後者の場合、詳述は避けますがアンバランス信号であることとピックアップのインピーダンスが高いことを解決するため、ギタリストの足下あたりに "D.I. (ダイレクトボックス)" というものを置いてギターを接続し、D.I.のバランス出力を卓まで接続することになります。


脳内ライブスタート!

ライブPA結線の一例

回線表(もどき)に従って結線していきます。ここで基本に立ち戻って欲しいのですが、各入力のゲイン設定は重要です。ゲインを正しく調整し、そこからパワーアンプを調整しましょう。ここが全体の音を決める基準となりますし、ここがきちんとしていると後から苦労することがあまりありません。このページでおさらいしておいてください。

図は仕込みが終わった時点で、オモテから音が出ているだけで、返し(モニタスピーカ)からは音が出ておらず、エフェクトもかかっていない状態にしています。


基本はモノラル

基本的に、仕込み自体はステレオで仕上げておくけども全体的な音作りはモノラルから始めます。つまり、すべてのインプットについて、PANPOT をセンターにしておきます。

ボーカルはセンターのままが良いでしょう。
ギターは、立ち位置を反映させて少しだけ左右に振り分けると分離が良くなって聴きやすくなります。ただしあまり左右に広げすぎると、立ち位置の距離以上に離れた感じの音になりますので注意してください。センターに定位させた状態を基準に少しずつ広げて、『あ、少し変わったな』 と感じたところで止めると良いでしょう。

全体をモノラルで仕上げる代わり、エフェクトリターンを思い切り広げると良いです。
多くの場合リバーブなどの空間系を使うと思います。これを広げておけば、全体の芯を崩さないまま広がり感を出すことができます。


リバーブをかけよう

エフェクトはいろんな種類がありますが、こういう規模だとリバーブ1本で済ますことが多いでしょう。

エフェクタのプログラムをリバーブにし、リバーブをかけたいチャンネルの AUX 2 を上げてあげます。そしたらその音にリバーブがかかります。リバーブはだいたいボーカルだけにかけますが、中にはギターにリバーブを要求する奏者もいます。ギターにリバーブをかけてもすぐには効果が分かりにくいのですが、そこは耳を慣らしていきましょう。

リバーブにも数種類あるエフェクターが多いです。悩むようなら、『VOCAL系』 『PLATE系』 を試してみて、奏者に選んでもらってもいいです。VOCAL系とか PLATE系なんて用語は、エフェクターの取説を読んでみて下さい。

この図では入れていませんが、ポストフェーダの AUX が 2 系統あるのなら、もう1台エフェクターを仕込んでコーラスをギターにかけても良いです。もちろん奏者の意向を聞きながら。


返しを出そう

上の図で、すでにいつでも返しを出せる状態にあります。

とりあえず CH-1,2,3,4 を 各 AUX1 トリムで出してあげて、演奏してもらいながらミュージシャンの要求に応じて調整していきます。

エフェクト(リバーブなど)を返してくれと言われたら、CH-7,8 の AUX 1 を上げればOKです。


意外と簡単っぽいでしょ?

この目次からたどれるページには、それぞれ相当長々といろんなことを書いています。

その知識と経験を総括してライブを顧みると、このページのように結構シンプルなことなんだと分かります。要は、信号をどのように受けてどのように送り出すか、をきちんと把握していれば大丈夫なんです。


改めてミキサーの役割とは

ミキサーというのは、複数かつレベル(信号の電圧)がバラバラの入力を、一定のレベル(信号の電圧)に揃えて各出力に送り出すのが基本的な使い方です。

たとえば、ダイナミックマイクならその出力電圧は数ミリボルトなのに対して、CDプレーヤなどは数百ミリボルトあります。これらを、『フェーダー(又はAUXトリム)を 0dB のところに置いたら、出力は +4dBu(+1.23ボルト)になる』 ようにする装置です。

もちろん、『キーボードは控えめに』 『ボーカルは少し強めに』 などという調整はありますが、あくまで基本として上のような話になります。

ミキサーや各機材の入出力が多々ある中で、どこにどんな信号がどんなレベルで通ってるという想像ができるようになりましょう。たとえば、エフェクターへの入力がごく小さいままエフェクトをかけたとしたら、

  1. エフェクトがかかってないように感じる
  2. エフェクトリターンのゲインを上げる
  3. そしたらエフェクトがしっかりかかってきた
  4. でも一緒に 『サーーーーー』 というノイズも上がってきた

ということになります。この時全体を見渡して、『エフェクターへの送りが小さいからこれを調整しよう』 という即座の判断ができるようになりましょう、ということです。

なんにしても、まずは各インプットのゲイン調整が基本です。もう一度このページでおさらいしておいてください。


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