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結婚披露宴における音の演出のおはなし:日常生活と音楽と


音楽を聴く耳を持とう

あなたの手元に今、どれだけのCDやMDがありますか?
いえ、枚数を自慢しなさいと言っているのではないのですが。

たとえば夕暮れの景色の中を車で走るとき、つい聴きたくなる音楽がありますか? それもいくつもあって、一人の時と、好きなヒトが助手席(あるいは運転席)にいる時と使い分けられますか?

一人で飲むときに必ずかけてしまう音楽はありますか? カノジョ(またはカレシ、候補も含む)と出かけた店でたまたまロマンチックな音楽がかかっていて、その音楽と店の雰囲気とカノジョ(以下同文)の存在の素敵なマッチングに感動したことがありますか?ミスマッチに落胆した経験でもいい。

テレビドラマや映画でつい泣いてしまったとき、そこに効果的に使われている音楽に気付いたことがありますか?

バラエティ番組の過剰な効果音を五月蝿いと思ったことがありますか?

日常生活のちょっとした空間を自然に演出する音楽があります。好きなヒトを助手席に迎えたとき、嫌なことがあって一人で飲むとき、それぞれのシーンをあなた自身を主人公にして音楽で演出できる感性は、披露宴の演出に携わる者として必須条件だと思います。

さてここで出題。
あなたが今いるのは、晴れた夕方の砂浜です。水平線の上には、鮮やかな夕日。そのあなた自身を誰かがビデオカメラに撮影してくれました。あなたがその映像にアフレコするのにぴったりだと思う楽曲を、1曲決めてください。
あなたがその場面に一人でいるのか好きなヒトがいるのか、あるいは仲のいい友達何人かと一緒なのか、季節はいつなのか、そのあたりのシチュエーションはあなた自身が決めてください。

音楽を感じる心を知ろう

上で何を言いたかったのかって、ヒトを感動させる仕事をするのに、まずあなた自身が感動できないでいてどうするの、というおハナシです。

アプローチはどんなんでもいいです。とにかく音楽で感じて欲しいのです。

一人で灯りを落として静かなバラッドを聴きながら、日本語しか理解できない頭で辞書片手に歌詞を訳してみる、という聴き方もいいです。
少し会社に嫌気がさした夜、ピアノとギターのデュオを聴きながらバーボンをストレートであおってしまうのもOK。
好きなヒトからの手紙を、キレイなピアノを聴きながら読むのもいい。逆に、書いたのを封筒に収める前に何度も何度も自分で読み返しているときでもね。

私の大好きなジャズマンに、トゥーツ・シールマンスというハーモニカ吹きがいます。もうたいがいジイさんなんですが、ジャケ写真で見る彼は本当に『やさしいおじいさん』の面持ちで、アルプスの少女ハイジあたりに出てきそうです。
そしてその演奏もまた、暖かい。悲しく聴こえる曲でさえ、彼が吹けば一種の優しさを帯びてくる。ジンでうつろになった耳で聴くと、全てを抱擁してくれさえするのです。

少し派手に転んで怪我をして泣き出してしまった子供にも、『男の子だろ、泣くんじゃない!』とは決して言いません。ごついんだけど暖かい手を両肩に乗せて、気が済むまで泣かせてくれます。

聴いていて気持ちいいから聴いている。これも正しい音楽の聴き方です。と言うか、音楽の聴き方に間違ったあり方なんてありません。炊事洗濯をしながらでも、昼寝しながらでも、好きなように聴けばいいんです。でもその音楽と共に人を感じさせるのが仕事であるあなたは、なぜその音楽が気持ちいいのか、あるいは耳に馴染まないのか、ちょっと掘り下げて考えなくてはいけません。

余談ですが私の好きな音楽

はい。ジャズが大好きです。ガチャ万景気的なにぎやかなのでなくて、しっとりしたのがいいです。

学生の頃コーヒーにはまってしまって、そのコーヒーに似合う音楽を探していたらジャズになりました。今もあるのかな、NHK-FM で 『セッション '93』 とかいう土曜の夜の番組をたまたま聴いてしまって、そこが入り口でしたね。
当時はまあなんと言うか、早くオトナになりたくて、ちょっとオトナな香りのコーヒーと、いかにもオトナが聴きそうなジャズにのめりこんでいったわけなんですが。

それから随分時を経た今は、30代前半(初稿執筆時点)にしてジジいと呼ばれてしまうようになっちまいました。会社の同姓の後輩(干支は同じ)を、人に『俺の娘だよ』と紹介したら一応驚いてくれたのですが、親子に見えないとかそんなんでなくて、結婚暦がないとばかり思っていたのに、というイミでの驚きでした (;_;)

そんな調子ですから、今更背伸びした聴き方はしていません。仕事柄いろいろ聴き漁って、結局はジャズに帰ってくるという感じです。

Great Jazz Trio の "Autumn Leaves" に秋の哀愁を感じ、Helen Merrill の "You'd Be So Nice To Come Home To" に過ぎ去りし恋を想い、Bill Evans Trio の "Someday My Prince Will Come" を聴いて恋人を愛せる幸せを実感。

男って、何かあってもわめき散らしちゃいけないんです。女もそう。
わめき散らしたければロックがある(けなしてるんでなくて、あのストレートな表現力にも魅力を感じています)。

『秘してこそ花』 という言葉があります。
猛る想いをぐっと胸に秘めているからこその 『色気』 なんです。
ただスカートが短いくらいじゃ、胸のボタンがひとつ余計に開いているくらいじゃ、色っぽくもなんともありません。
な〜んとも思ってない女性が、ちょっとした拍子に見せる油断、意識がふと今のこの場所でなくて全然違うどこかへ行ってしまったような目の伏せ方とか、そんな瞬間を見てしまったら、ちょっとどきっとしてしまいます。
ひざ上のタイトスカートの脚を目の前で組み変えられたときよりも、どきっとします。

触れたら崩れそうな何かを隠しながら、ごく普通に言葉を交わすオトナのポーカーフェイスを感じてしまうんですよねぇ、ジャズには。


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