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エアコンのリモコンの表示不良
機種名:三菱エアコンのリモコン 3H
15年くらい前の、まあいわば一般的な家庭用のエアコンのリモコンです。
症状:液晶表示不良。
ウチのホテルの宿泊客室に設置しているエアコン:三菱 『霧ケ峰』 のリモコンです。本体の型番は失念しましたが、リモコンの型番は "3H" です。
液晶表示が不良で、表示されるセグメントと表示されないセグメントがあり、リモコンを両手でにぎって無理にこじってやるときれいに表示されることもあります。
この症状が出るたびに新しいのを買っていましたが、リモコンだけを買うってのは非常に高くつきます。これも、たしか8,000円くらいするんじゃないかな。そんなこんなで不良機が5個ほどたまってたので(故障の機会は客室の数だけあります^^;)、一気に修理することにします。
さて、ばらしてみますか。故障箇所の見通しは、基板と液晶をつないでいる導電ゴムの接触不良です。
作業開始
とりあえず電池を入れてみました。電池交換直後。時計部分に 12:00 と出るはずなのに、見ての通りおかしな表示です。
開腹開始。裏面の2本のネジを外して、っと。
ここからは経験と勘と度胸の世界です。
まず、電池ボックスの下のあたりにドライバのマイナスをつっこんで、こじ開けるようにしてみます。ケースの表側と裏側はヒッカケでぱちっとはまっていますので、これをうまく分割できるように。
上記で電池ボックスのあたりをうまく処理できたら、だんだん上の方へと攻めていきます。
この機体では、ちょうど写真で見えているように脇腹の真ん中あたりにくぼみが見えてきますが、ここではなくてもっと下、電池ボックスの脇腹あたりをこじってやると案外簡単に分割できます。絶妙なチカラ加減と勘と運を駆使してみてください。
失敗例(^^;)
うまくいけば、ケースの表側がぱかっと外れます。
そのまま、基板も外してしまいましょう。この機体では2本のネジで留まってました。
うまく分解できた。
左から、ケースの裏側・ケースの表側・基板 です。
液晶は、ステンレス(?)のフレームで固定されています。そのフレームは、基板に足をつっこんでひねって留めてあります。
裏から見るとこんなん。
『足をつっこんでひねって留めてある』 の拡大。
ひねってあるのをうまくまっすぐにして、基板から引き抜きました。
液晶を外します。後述しますが、液晶と基板の間に導電ゴムがはさまっており、この機体では導電ゴムは液晶側で接着してあるようです。
この導電ゴムと液晶、または導電ゴムと基板の接触不良が、今回の故障の原因です。
導電ゴムは液晶に強固に固着してあるので、これは意図的に接着してあるものと判断しました。なので、基板との接触を疑います。空気中の水分を吸った、酸化皮膜ができた、そんな原因で接触の具合が悪くなるのです。
とにかくここを掃除しましょう。
導電ゴムの存在意義は、この絵を見てもらった方がいいかな。
基板と液晶にはそれぞれ必要な接点がある間隔を置いて存在します。
そして、導電ゴムが・・・実際には電気を通すゴムと電気を通さないゴムが交互に積層されており、適宜必要な電気信号を基板から液晶に伝えているんです。
まず基板側の拭き掃除。アルコールをつけた綿棒でふき、その後乾いた綿棒でカラふきします。
ちなみに今回はベビー用綿棒を使いました。普通の綿棒の方が軸が強くて扱いやすいのですが、ベビー用の方がリント(綿くず)が出にくい気がしますので。
同様に、液晶側の導電ゴムも拭き掃除します。
ことのついでに、ボタンの裏側の導体部分と、それが接触する基板上のパターンも同様に清掃します。これで、将来的な 『ボタンを強く押さないと言う事を聞かない』 というトラブルを防止できます。
すでに言う事を聞きにくくなっているテレビのリモコンなんかも、この方法で直ることがあります。
基板側。
押しても反応しないリモコンで、ここを清掃してもダメな場合、ボタン側にアルミホイルを小さくちぎって貼り付けるという方法もあります。ただしうまく貼り付けないと、過剰に反応してしまうこともあるので注意。
バラしたのと逆の手順で組み立て、テスト。ばっちりです。
さらにこれをエアコンに向けて、ほんとに大丈夫か試験したいとこですが、実機が近くになかったので簡易的にカメラつき携帯を使ったこんな方法でテストしました。
一気に5台修理。うち1台は液晶が割れていたためNGでしたが。
完了。
まあ会社のモノだしタカがエアコンのリモコンだし、うまく修理できたところで、それも一気に4台も直ったところで、特に感動もありません。
でもとりあえず・・・あと何年生きることでしょう。がんばれ、3H。
2006/11/19