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PCでテープデッキのアジマス調整

この記事を書く以前のテープデッキの修理では、耳をたよりにしたヘッドアジマスの調整を行いました。今回は、せっかくPCが手元にあるのだからと、パソコンとフリーソフトを使ってこの調整を視覚的に行います。前提条件は・・・
  ・PCにステレオのライン入力端子があること
  ・フリーソフトを自分でダウンロードして実行できること
といったところでしょう。テープやレコードを自分でデジタル化したことのある人なら、おそらく大丈夫。

今回ご紹介する方法は、本来 2現象のオシロスコープを使って行うものです。つまり、右の信号をx軸に、左の信号をy軸に (もしくはその逆に) してリサージュを表示させ、そのリサージュを見ながらアジマスを調整しましょうということです。
『リサージュ』 の意味が分からなくても、このページで紹介している通りにやっていけば大丈夫。興味があればググってください^^;

さて都合のいいことに、efu氏がフリーソフトととして公開されている Wave Spectra というソフトで、リサージュを見ることができるのです。もともとこれはスペクトラムアナライザなんですが、信号の波形を見るオシロスコープとしても使えますし、サウンド入力の左右の信号を使って リサージュを見ることもできます。

Wave Spectra ダウンロードはここから >> http://www.ne.jp/asahi/fa/efu/soft/ws/ws.html

ヘッドアジマスとは、テープとヘッドの平行性のことです。これが狂うと、つまりヘッドとテープの角度がぴしっと0度(90度になるのかな?)になっていないと、高域が伸びなくなったり、シンバルの音が独特の 『シュワシュワ』 した音になります。
本記事中盤で、写真で説明します。

作業開始


基準となるテープを作る

まず、調整の基準となるテープが必要です。オーディオメーカの中には調整用テープを販売しているところもあったようですが、今現在では確認できません。
なので、自由な周波数で正弦波を出力できるフリーソフト(たくさんあります。検索を。) を使って、『信頼できるカセットデッキ』 で1KHz を何分か録音したテープを作ります。もちろん、何十分も録音したってかまいません。
ただし、開封したばかりの新しいテープを使い、ドルビーNRなどはすべてOFFでね。

私は 0dB で録音しました。まあ、出力レベルを調整するわけではないので、-10〜0 dB であれば適当で良いでしょう。

今回は、十数年前に買ったものの、かなり使用頻度の低い SONY TC-RX79 というデッキを使いました。これ、5年くらい前にオーバーホールに出しており、使用頻度の低さと相まってそこそこ信頼できると仮定してのことです。
そして、この TC-RX79 で録音した 1KHz のテープが絶対的に正しいものと信じて、どんなに自信がなくたって絶対的に信用して、この後の調整を進めていきます。
仮に信じた相手が間違っていたとしても、別にン百万の壷を買うわけでも無し、私の人生にさして影響はないと思います。ただし別の場面で信用する相手を間違うと、預貯金土地建物今後の人生を失うケースもありますので、人生計画の調整は慎重に行ってください。

PCと調整対象テープデッキを接続


PCにステレオライン入力があれば、テープデッキのライン出力をPCのライン入力につなぐだけです。
しかし入力に関してはPCによってまちまちなので、ここではオーディオインターフェイスを介すことにしましょう。
特にノートPCだと、マイク入力しかついてないことが多いですし、仮にそこにつなぐと盛大に歪んで、正確な調整はできません。中には、入力ゲインをマイク/ラインで切り替えられる機種もありますが。

方法はいろいろですので詳述しませんが、接続が済んだらテープを再生させ、それがPCにちゃんと入力されることを確認してください。うまくいかない場合、windowsから見たデフォルトサウンドデバイスが内蔵のものになっていると思います。設定が面倒な場合、全体を接続してからPCを再起動させると良いです。


調整開始


↓写真はクリックすると拡大します。
"Wave Spectra" を起動して、リサージュを表示させましょう。(ここでは Wave Spectra の使い方には言及しません。)
そして、1KHz を録音したテープを再生してみます。すると、下のほうにスペクトラムが出てきました。また、上の方には、楕円もしくは斜めの直線が出てくるはずですが、これがアジマス調整で重要な意味を持つ 『リサージュ』 と呼ばれるものです。
これらの表示が出てこない場合は PC のサウンドまわりの設定を見てみましょう。『ボリューム コントロール』 とか。

余談ですが、ここでテープスピードもチェックできます。スペクトラムの中心周波数が 1KHz であればテープスピードは正常です。しかしこれが 1KHz を大きく外れているようならテープスピードがおかしいです。

この画面写真は、前回 『耳で調整した』 ままの状態を見たものです。
理想は、リサージュが右肩上がり45度の一直線を描いている状態です。でも実際見てみると、右肩上がりに傾いた楕円になっていますね。これは、少々アジマスがズレていることを示します。
アジマスのずれが大きくなると、この楕円がだんだん真円に近くなってきます。この直線や楕円の傾きが右肩下がりとなっている場合、『とんでもなくアジマスが狂っている』 状態です。

テープを回しながら、そしてPCの画面を見ながら、アジマスを微調整していきます。そして、画面上部の楕円が、右肩上がりの直線になるところで調整完了となります。
詳しい調整方法はこのページを参照してください。

↓写真はクリックすると拡大します。
どうでしょう、上部のリサージュが右肩上がりの直線になったのが分かるでしょうか。 実際には完全に直線で安定するということはありませんでした。ワウ・フラッタとかが原因かもしれません。しかしまあそのあたりが調整限界とも思えるので、このへんで FIX とします。 見ていると、直線〜ごく平べったい楕円を描いています。俗に言う 『ふらふら』 した状態。まあいいや。この状態で普通に音楽を録音したテープを聴いても、まったく聴感上の問題はありません。


(注)スペクトラムについて

理想的には、1KHz に棒が立ったようなスペクトラムになるはずです。しかし、現実にはスクリーンショットに示したような感じ、分布関数が得られそうなかたちになります。まあ、こんなもんです。
ひとつ気になるのは、2KHz, 3KHz, ……に鋭いピークが見えます。これは2次、3次・・・の高調波でしょう。原因はよく分かりませんが。

こんな、うっとおしい調整を繰り返さないといけないのがオーディオ、特にアナログ。調整中に、奥さんに 『楽しい?』 と聞かれました。はい、楽しいです。
私と奥さんの間には、好きなテレビ番組に大きな違いがあります。で、基本的にテレビは奥さん優先です。ええ、仕方なくオーディオいじってるんです :-(

2006/10/1

(付記事項 2006/10/4) 調整に使う周波数について

本記事では 1KHz をテスト信号として用いましたが、一般的には 8KHz を使うようです。スタジオなんかでは (無論カセットテープではないが) 16KHz とか。
原理的に、周波数が高くなれば高くなるほどアジマス調整を正確に行えるようになりますが、周波数を高くすればするほど正確な調整ができる、これは即ちシビアな調整を要求されるということです。さらに、ちょっとしたアジマスのズレが測定結果に大きく影響しますので、ストレスたまりまくりにもなります。

今回の調整では、1KHz でも完全同相にはなりませんでしたしね。まあ、人生妥協が必要ってもんです。


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