SONY TC-RX79の修理
機種名:テープデッキ SONY TC-RX79
1990年代前半頃の製品。私としては珍しく新品購入、たしか39,800円とかそんな価格だった。
取り立てて言うこともない普及機。
フロントパネルにマイク入力x2があるので、その気になればナレーション収録だってOK.
症状:テープセレクタ不良。テープを入れてるとハイポジになったりメタルになったり。
しばらく使ってませんでした。っていうか、今後もあまり使う予定がありません。
でもまあ、不具合は直しておかないとね。上記不具合以外のトラブルはありません。使用頻度低いし。ベルトなんかもしっかりしてるみたいです。
症状は、「どんな種類のテープを入れても、勝手にノーマルになったりハイポジになったりメタルになったり。」 というものです。かなり短い時間間隔(コンマ何秒)でパタパタと切り替わります。でもあんまり使わないので、放置してました。
さて、ばらしてみますか。故障箇所の見通しとしては、テープセレクタの接点不良です。
テープセレクタとは、セットされたテープの種類をデッキが自動的に判別するものです。テープの背中にある検出穴にスイッチを押し当てて、穴が開いてるかどうかで見ています。
今では当たり前の機能ですが、昔はこれを手動で切り替えたもんです。「ハイポジ」という言葉がなくて、かわりに「クロムテープ」なんて呼んでたころの話。
作業開始
ボンネットを開け、上面から覗いた様子です。デッキのメカを外さないと先へ進めません。
赤丸の2本のネジを外しましょう。
すまん、見にくかったね。これです。
底面に回って、この2本のねじもはずします。
すると、
メカが外れます。簡単に、ぽろっと。
画像上で、右斜め上側にヘッドがあります。
問題の、テープ種検出スイッチです。リーフスイッチとかいうらしいです。写真の向きが分かりにくいでしょうが、テープを入れたときの上側に存在しています。
構造は簡単で、2枚の金属板によるスイッチと、接点を押し上げるプラスチック片で成り立っています。それに、半透明のプラスチックカバーがついています。
掃除しちゃおうねぇ〜。ケイグの接点復活剤 Pro Gold G5。PA現場では私はよく使います。音声関係のプラグとかジャックとか。
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スイッチのプラスチックカバーをはずして、と。
コピー紙を4重くらいに折って、接点復活剤を染み込ませます。それを、2つの接点で挟み込んで、接点を壊さないように気をつけながら、ごしごしします。
汚れてます。喫煙人生の成れの果て?
全てのスイッチを掃除したらプラスチックカバーをはめるんですが、どうもこれがいけない。固定方法が甘くて、1・2回外したらもう固定のツメがダメになるようです。私はダメにしちゃいました。まあ、カバーがなくても大きな問題にはならないと思うけど。
とりあえず、がばがばの状態でカバーをはめときました。
あとはメカを元通り組み付けて、おしまいです。
ついでだったんで、この端子のメンテもかけておきます。たしか前に使ったとき、ここが接触不良を起こしていた気がします。
ここにつないだコードを手でゆすると、音が出たり出なかったりするという、割によく起こる故障です。
基板を外して、ここを再半田しておきます。やり慣れた作業です。やり飽きたってのが正確?
ここは、何度もコードの抜き差しを繰り返すうちに半田にクラックが生じやすい場所なんです。
ボンネットを閉めて、元通りにラックに組み込みます。そして、かなり久しぶりにテープの音を聞いてみました。
私の手元にはテープがないので(あるのは全部実家)、奥さんのクイーンで。まあ、普通に再生できました。
と言うか、この真っ黒な画像はどうにかならんのかね。
テープセレクタも、暴れなくなりました。間違いなくテープ種別を検出し、安定して切り替えています。
完了。
直りました。
電源ON直後からしっかりと音が出ます。
あと何年生きることでしょう。がんばれ、TC-RX79。
2006/6/7